心理学部卒の就職最前線①未来の同胞に告ぐ、我らの前に道はない
4月から大学生になったみなさん、その中でも心理学部という物好きな学問を専攻したみなさん、ご入学おめでとうございます。
さて、突然ですが、皆さんはなぜ文学部でも国際学部でも法学部でも経済学部でも経営学部でも商学部でも哲学部でもなく心理学部を選んだのでしょう?
最初から強い意志を持ち、院進学と臨床心理士(今度から公認心理師になりますが)資格取得を念頭に進路を決定した人以外の本音はこうなのではないでしょうか。
「自分は絶対に文系しか進めそうにない」
「経済・経営・商学部は絶対数学つかうでしょ。ムリムリ、まじで数学から逃げたい。」
「かといって、文学部もなあ。教員になるつもりはないし、じゃあ就活するかってなるけど、文学部だとまじで詰みそう・・・」
「哲学部はなんか、闇深そう。就活は・・・・だし、かといって院進して修士・博士まで取るの?取れるの?てか取れるまで自殺とかせずに生きてけるの?」
「狙ってる偏差値群の大学の法学部偏差値高杉ワロタwwwwwwwwwwww」
「自分のような陰キャがキラキラ国際学部に行こうものなら・・・・・」
このような葛藤の元、なんか心理学部だったら
「なんとなく、数学から逃げれそう」
「なんとなく、在学中に資格とか取得できそうかも、んでそれが就活で役立つかも」
「なんとなく文学部や哲学部より『大学でなに勉強してるか』が客観的に分かりやすそうだろう」
「なんとなく、そこまでキラキラしてなくて、かといってすごい闇が深いわけでもない類友が集ってきそう」
「心理学って楽しそう」
「なんとなく、将来は心理学で学んだことを活かした職(多分安定してる職)に就けるといいな」
とあたりをつけて、入学をされてきたのではないでしょうか。
この考え、現在心理学部4回生、就活真っ最中ナウの私の立場から言わせていただきますと、
その「なんとなく」すべて、甘い!!!!!!!!!
そのままただ時間が過ぎていけば、就活の時になって地獄を見る目になるぞ!!!!
というわけで今シリーズは、今春心理学部に入学し、院進学をせず就職を漠然と考えている18のヤングマン&ウーマンに対して21のBBAが発破をかけるスタンスで進んで行きたいと思います。
心理学を4年間学んで、私たちは何者になるつもりだったの?
先述した心理学部の「なんとなく在学中に資格とれそう感」と「なんとなく将来は心理学を活かした職に就けそう感」。
正直これはまったくのマボロシイ~です。
はい。でもほら、まあね。進路をすすんじゃったことはもう、過ぎたこと。仕方ないのです。
問題はなぜ私たちはその幻を信じて進路を決定してしまったのか、ということでしょう。
思うに、それは心理学を活かした(活かしているように見えるだけも含む)職業・収入方法が私たちの身近に多く存在しているからなのです。
★ほにゃららカウンセラー
(スクールカウンセラー,産業カウンセラー,恋愛カウンセラー,家族カウンセラー等挙げればきりがない。だって一部を除き名乗ったもん勝ちだもんね)
★セラピスト
★メンタリスト
★精神科医
私たちはその職業あるいは収入方法で自活している人たちを見て、「ああ自分も心理学部で学べばあの人たちと同じ何者かになれるんだ」と錯覚をしてしまうのです。そして、学部での四年間の学びのその先に、彼らと同じようなキャリアの道筋が見えているつもりになっている・・・いや、なっていたのです。うっわー無知ってコアイネ!
OH、ギルティ!
じゃあ皆さんや私が「心理学を学んだらこの人みたいになれそうだな~」を思っているだろう人を以下にて順々に挙げていくとしましょう。言っときますけどぜーーーーーったい彼らにはなれないですからね。さあっ!きばっていこうぜ!
もしかしたら私はこうなれるのではないか人その①
メンタリスト daigo
一番うつりが良いなって写真引っ張ってきました。最近結婚したウィッシュじゃないほうの人です。
最近は少しテレビで見かけることは減りましたが、一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いでテレビに出まくっていましたよね。「心理学=心を読むすごい学問」みたいなイメージをエンターテイメントを交えながら社会へ流布していった立役者?第一人者だと私は勝手に思ってます。
だから大抵初対面の人に我々が「大学で心理学やってます」というと「あ~心読めるんでしょ~」ってくだりになるのです。
端正な顔立ちと知的さ溢れる振る舞いで芸能人の心理を次々読みまくるミステリアスな男、daigo!いやーかっくいいですねえ。そこにシビれる!あこがれるゥ
私たちも心理学を学んだら、心が読めるようになるのかも☆って思っちゃいますよね。
ですが結論から言いますと、そこらへんの学部で心理学を学んだところで彼のようには絶対になれません。
彼は心理学を大学で学んでたとか心理学者とか、そういった人じゃありません。特に国家資格も認定に試験があるわけでもない、「メンタリスト」(自称)。そう言うとめっっっちゃ嘘くせ~ですが、なんやかんや彼はKO大学の理工学部出身。そう、私たちがしっぽを巻いて逃げ出した理数を極めしエリートです。
経歴を真実と仮定した上で、ここから先は私の憶測です。彼は「心理学」に関しては大学在学~卒業までの間にちょちょちょい~っと学んだ程度にすぎないでしょう。そのちょちょいと学んだ心理学の知識とこれまで培ってきた知識・観察眼・論理的思考を総動員して「人の心を読んでいる」のです。はい、もうおわかりですね?
だからdaigoさんって要は
ただの人心掌握に長けた、かなり頭のいい、容姿がある程度整っている人
です。
彼がここまで心を読める(ようにみえるのは)ただ単に心理学の知識がというよりは、彼自身の能力・才能・資質によるところが多いです。てかまじでほとんどそれ。
説明が面倒くさいのであとは各自でwikiなり公式サイトのプロフィールでも見といてください。
もしかしたら私はこうなれるのではないか人その②
ドラマDr.倫太郎より
精神科医 日野倫太郎
堺雅人、かっこいいですよね~
半沢直樹以降ずっとでずっぱりだったけど、最近は落ち着いてきたでしょうか。
いい仕事して、綺麗な人と結婚もして、もう人生の脂、のりまくりですよね。
さ、無駄話はこれくらいにして、端的に一言いいます。
精神科医って、医者だかんな???
もしかしたら私はこうなれるのではないか人その③
月9ドラマ ラヴソングより
結婚報道後のましゃロスで視聴率大変みたいですね。
私、笑点の小遊三師匠のましゃネタがすげー好きなので、ましゃにはなんか頑張ってほしいなって個人的に思ってます。ま、それはさておくとして
そして臨床心理士になるためには指定大学院にて資格の認定試験を受けなければいけません。
(ちなみにみなさんご存じスクールカウンセラーも同様です)
と、まあ具体例として挙がるのはこんなもんでしょうか。ちなみにこの3人を挙げたのは理由があって、我々が勘違いしがちな「学部で学んだ心理学の知識活かせるかも職」3つのパターンの典型例であったからです。
パターン1:「一見心理学部での知識が活かせそうに見えるが、実質心理学部かとか関係なく、本人の能力や口の上手さに依存する職・収入方法」
例:メンタリスト、臨床心理士の資格を持たない者が名乗る「ほにゃららカウンセラー」すべて
ぶっちゃけこれらはすべて「自称」なんです。いわば、誰でも名乗れてしまうお金を頂いて仕事をもらうにはそれなりの「説得力」が必要ってこと。じゃあこの説得力はどーすりゃいいのって、そりゃあ「話術」一択です。
話術によって自称をどこまで「価値」にかえられるか。そしてその価値に金を払ってもらうのか。
見えないサービス、価値が一見わかりにくいサービスを提供するといういみではコンサルと仕組みが似ているかもしれませんね。
パターン2:「そもそもその職につきたいなら心理学部に来てる場合じゃねぇ職」
その名の通りです。無知は罪。
パターン3:「心理学部の学びを活かせるが、院までいかなければつけない職」
例:臨床心理士、企業カウンセラー、スクールカウンセラー
専門職って甘くないんですね。
はい。どうでしょう。心理学部で一般就職を考えていた皆さま、そろそろ悪寒がしてきたのではないでしょうか。
心理学部卒が、心理学を学んできたということだけで有利になれる職はこの日本にないです。
つまり、就活戦争を特に「心理学部としての武器」のないままに臨むということになるでしょう。
営業、事務、経理、IT・・・・
想像してみてください。
経済学部だったらマーケティング、商学部だったら簿記資格アッピール、経営学部だったら経営学検定、国際学部だったら御社のグローバル化に貢献できますアッピール・・・
彼らの場合は、学部で今学んでいることが社会に出た時・会社で業務をする際すぐに結びつく知識・スキルばかりです。
つまり、周りの人はいくつも「武器」を持てる環境で勉強をしているということ。
そんな中で私たちは「持てる者」である彼らと戦い、勝利して、内定をもぎ取らなければなりません。うわ!ぞっとしますね。
幸い、公務員には心理学部卒で受験可能な心理職もいくつかあるので(児童相談所の職員とかね)、気になる人は受けてみるのも手だと思います。
しかし諸事情によりそれでも就職を考える皆さまともう後のない3回生。
時間や過去の決断を悔いても仕方ありません。
では次にこれからでも間に合うこと、また私たちが4年間で学ぶ専門知識という資源に焦点を当ててみることにしましょう。